私もまもなく40歳を迎える時期に差し掛かり、気になる言葉を見つけました。
それは【中年期危機】という言葉です。
読んでいた本の中で突如現れた言葉で、妙に気になる言葉だったのでこれから迎える40代に向けて、30代に内に何かできるヒントがあればと思い調べてみることにしました。

1、中年期危機とは
中年期危機とは40〜50歳前後で多くの人が経験するとされる心理的な揺らぎや人生の見直し時期です。「このままでいいのだろうか」と立ち止まってしまいます。
現実に直面した時に、不安や迷いが押し寄せ、いわゆる「中年期危機(ミッドライフ・クライシス)」を感じやすくなります。
このようなタイミングをプラスとして考えるのであれば、「人生の目的」と「共同体感覚」を見直す時期とも考えられます。共同体感覚とは、「他者との繫がり、貢献し合うことで得られる所属感・安心感」のことを指します。
◾️原因
- 人生の折り返し意識:老い・死の現実を意識し始める
- 役割や環境の変化:子育て終了。昇進の頭打ち、親の介護
- 自己評価の変化:若い頃の理想と現実のギャップ
- 身体の変化:体力低下、健康不安
◾️主な症状・兆候
- 将来の生きがいに対する漠然とした不安
- これまでの生き方への後悔や虚無感
- 大きな方向転換をしたくなる(転職・離婚・移住など)
- 若返り願望(服装・趣味・恋愛などの変化)
2、プラスにも働く場合
中年期危機は必ずしも悪いものではありません。
自己再評価と軌道修正のチャンスとして働き、新しいキャリアや趣味、生活スタイルを築くきっかけになります。
つまり、「人生を再設計するきっかけ」でもあるのです。
実際に、40歳50歳を超えてから歴史になお残す活躍をされた偉人も多数いることが、自らの人生において中年以降にも転機を迎える大きなチャンスということが分かります。
3、乗り越えるためのヒント
- 価値観の整理:何を大切に生きたいのかを紙に書き出す
- 小さな変化から試す:転機や移住ではなく、まず習い事や旅行など
- 信頼できる人との対話:家族、友人、カウンセラー
- 健康習慣の強化:運動・睡眠・食事管理で心の安定を促す
30代でも仕事と家の往復で変わらない生活リズムに不安や退屈さを感じることがありました。生活リズムに変化を付けたい気持ちから運動を始めたり、新しい交友関係を作ることに意識することで、自分自身に刺激が加わる感覚があったことを覚えています。
きっと40代でも変化を付けたいと思う気持ちがより一層重要になってくるのだと思います。
4、アドラー心理学の視点で【中年期危機】を考えてみる
最近、私が興味を持っている”アドラー心理学”の視点から、【中年期危機】について考えてみたいと思います。
◾️アドラー心理学からの捉え方
アドラーは人間の行動を「原因」ではなく「目的」で説明します。つまり、中年期危機での迷いや不安も「過去の出来事に縛られた結果」ではなく、これからの人生をどう方向づけるかという目的を探す行動の一部としてみます。
◾️中年期危機を目的論で読み解く
- 現状の不満→「もっと充実した人生を送りたい」という目的のサイン
- 過去への後悔→「これから挽回したい」という行動のエネルギー
- 若返り願望→「再び社会で価値を発揮したい」という欲求の現れ
5、共同体感覚との関係
アドラーは幸福の条件を「共同体感覚(他者貢献の意識)」としています。「私は誰かの役に立っている」「共同体の一員だ」と実感できると、人は安心と勇気を持てます。
中年期危機を自己中心的に解消しようとすると一時的な高揚で終わりますが、「誰かの役に立つ方向」で解決策を選ぶと長期的な満足感が得られます。
例:
- 転職→高収入より、経験を活かして後輩育成や社会貢献できる職場へ
- 趣味→自分だけの楽しみから、地域や家族との共有へ
- 健康改善→長く働き、家族を支えるための体力づくり
6、アドラー流・乗り越え方
- 過去を切り離す:「あの時こうすればよかった」は手放す
- 目的を定義する:残りの人生で何を成し遂げたいか書き出す
- 貢献の方向に修正:目的を他者貢献に結びつける
- 小さな一歩から:日常の中で貢献行動を始める(家庭・職場・地域)
つまり、「人は過去に縛られて生きるのではなく、未来に向かって行動する」ように思考と行動を変化させることが重要になってくるのです。
7、まとめ
40代人生のターニングポイントに変わりはありませんが、「第二の人生」スタートのタイミングということが解りました。危機という言葉から恐ろしい時期と考えてしまう部分がありましたが、この時期に出てくる感情を上手く利用することができればより良い第二の人生を歩めるんだろうと思いました。
その為に準備することも多くありますが、個人としては人生最後まで楽しく過ごせることを望みます。
「この先どう生きたいか」を問い直し、貢献の方向へ舵を切ることで、中年期はむしろ最も充実した人生に変わっていくことでしょう。
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